チームふくしま。日帰りバスツアー ふくしまの「人」と「めぐみ」に会いに行こう!に参加して福島へ行ってきました。リポートその1。

野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店

日本野菜ソムリエ協会「チームふくしま。」の現地視察の大人の社会科見学。

朝7時に上野を出発して夜9:30に上野へ帰ってくるという強行バスツアー。
主宰はチームふくしま。代表 岩崎真理子さんが率いるあの執行部のメンバー。
ただの社会科見学であるはずがなく、何をやらされるのかビクビクワクワクしながら参加してきました。




本当は当店でもいつも扱っている福島県産の野菜・果物について自分ももっと知らなくてはいけないし、お客様にきちんと安全だと説明できるようになりたい。
そのためには一度現地の生産者さんにお会いしてお話しを聞くべきと前から思っていたところに、この企画を見て参加させていただいたのでした。


当店で扱っている福島の野菜・果物は今の時期だと桃、生椎茸は福島か秋田か栃木だし、アスパラは福島会津産がメイン、キュウリも今は福島か群馬となっています。

野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店
野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店
野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店

今回のツアー、主なメニューは以下の通り。


①郡山農産物直売所「ベレッシュ」で福島県の野菜ソムリエコミュニティーの方々と合流。

②ベレッシュで行っている放射性物質測定検査の現場を見学。

③磐梯熱海温泉「ホテル華の湯」で地産地消のブッへランチ。

④華の湯 常務取締役 菅野さんから地産地消の取組みに付いてのお話し。

⑤同じく華の湯 総料理長 斉藤さんから震災前と後の変化についてのお話し。

⑥華の湯さんへ野菜を納めている「空ちゃん農園」二瓶さんのお話し。

⑦「かーちゃんの力・プロジェクト」のやってきたことについて、渡邊とみ子さんと高橋トク子さんのお話し。

⑧郡山大槻町 鈴木農園さんで鈴木光一さんのお話しを聴いて、郡山ブランド野菜の収穫体験とお買い物。


というミッチリ濃いー一日となっていました。


予報では悪天候だったのに、当日福島は青空が出るほどの好天。しかも程よく涼しくてすばらしいコンディション。


ここから少々長くなりますので今回のツアーリポートは2回に分けさせていただきます。



「福島の現状を野菜ソムリエの皆さんが自分の眼で見て、そのありのままを多くの人にお知らせしてください。マスメディアの発信する情報だけでは正しく福島が伝わっていないと思いますので」という福島の生産者さんのお話しがありました。
この想いに少しでもお応えできるように今回私が見て、聴いて、考えたことをここに書いておきます。

最初の目的地、地元の野菜直売所「ベレッシュ」に到着。
野菜ソムリエ福島コミュの皆さんが待ち構えていてくださって熱い歓迎を受けました。

私たちが乗ってきたバスに福島コミュの皆さんが乗り込んできてご挨拶。続いてベレッシュの社長と息子さんの本部長がバスに乗ってきて、これまでの経緯と現状、やってきたこととなぜやっているのかなどのお話しをしました。

社長さんの話しはなんだか長かったので私なりにここで要約すると「この直売所はあの震災の前からやっていて当初は生産者さんを集めるのに苦労もしました。が朝から夜中まで生産者の方や学校給食の方との関係を作ったりするため動き回って良い関係を気付くことができ、その後順調に業績を伸ばしてきました。ところがあの震災で、そしてあの原発事故で福島の野菜は売ってはいけないということになって目の前が真っ暗、本当に途方にくれてしまいました。それは生産者の人たちも同じでした。
この直売所もやめようと思ったのですが、朝採れた野菜がこの店に置いてあるんです。
生産者の人たちがここに置いて行くんです。
これはなんとかしなくてはと思いました」
というお話しだったと思います。

そしてベレッシュさんでは生産者が売りたい野菜・果物はこの店の放射性物質測定装置にかけて検査した後に売場に並べると言うことにしたそうです。



放射能とは何なのか?
放射性物質を測定するとは何をすれば良いのか?
なにもかも全く解らない状況から始めたそうです。



それでもやらなければという熱意があって測定器を3台こちらで設置して、今はここで検査した後に安全だと生産者さん&ベレッシュさんが腑に落ちた(自己基準をクリアした)野菜と果物だけを売っているそうです。


この検査経過がお客様にも見えるようになっているので、お客様も納得してお買い物をして行くようになったというお話しでした。

野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店
野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店

上の写真が放射性物質測定装置です。
ミキサーで砕いた野菜や果物をこの装置に入れます。
1検体に約30分かかるそうです。
時間を短縮したければサンプルの量を増やさなければならず、逆にサンプル量をケチれば時間がもっとかかるということだそうです。
基本500gを生産者の方には検査のために提供してもらっていますが、これは生産者の持ち出しなわけです。
毎日のことだから積もり積もって結構な負担だと思います。

でもこういうことをして、地元の福島野菜も安全なんだと認知されてだんだんと消費されるようになってきたそうです。

野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店

この模様が、9/7の福島民報 朝刊に掲載されました。

ちなみにこの写真を撮ったのは東京電力の方でした。
(右上の写真のカメラを構えている人)



放射性物質の震災当初に国が示した出荷基準は500ベクレルでした。
その後100ベクレルに基準値が下がりましたが、こちらのベレッシュさんの自己基準値は20ベクレル以下としているということでした。

しかも実際に測定してみると野菜や果物から検出される数値はND(ノーデータ:ただしゼロということではない)なのです。

前回別のチームふくしま。の勉強会でお会いした柏市の亀岡さんも自分たちで決めた自己基準は20ベクレル以下だとおっしゃっていた。


福島で高濃度で汚染された土地の土の放射線量は1000ベクレルらしいです。
国は当初植物がその10%を吸収すると予想して100ベクレルを基準値としたらしいです。
しかしながら実際には野菜は土からセシウムをそれほど吸い上げなかったのです。
なので福島野菜は当初予想したほどは放射性物質を持っていないことも解ったのです。




野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ
野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ

「夏野菜のサラダ華チーズの香り」というメニューにはものすごいちっちゃいトマト「マイクロトマト」が入っていました。こんなこと普通だったら声高に言いたくなりそうなのにさりげなく使われていてちょっと感激でした。

さてこの後、磐梯熱海温泉「華の湯」さんへ移動しました。
こちらで昼食。


温泉宿のブッヘランチは自分の予想を裏切った素晴らしいヘルシー地元野菜メインのランチでした!
いっぱいいろんな野菜メニューがあると聞いていたので、欲張らずにちょっとずつたくさん食べることにしました。

肉料理もたっぷりあります。
鶏の唐揚げや牛肉ステーキというメニューもありますし、ポテトフライやデザートなども充実。
喜多方風ラーメンとか華カレーなんてのもあります。


でもここで目を引くのは地元の野菜のアレンジメニュー。
例えば「わかめとかぼちゃの気仙味噌米粉グラタン」とか「フルーツトマトと夏野菜のオリーブ麦味噌和え」とか「夏野菜のバーニャカウダソース焼き」とか「皮付きオニオンのみりんロースト焼き」とかです。
全部本当にすごく美味しいんです!

肉、カニ、エビ、茶碗蒸しという旅館のブッヘの定番メニューとは違って、見た目は女子っぽいのですがボリュームもあって男子でも野菜メインのこのお料理でお腹いっぱいになりました。


野菜ソムリエ チームふくしま 船橋 東武 丸あ商店

福島の野菜ソムリエコミュの方々と食事をしながらお話しさせていただきました。

今回のツアーは福島の野菜ソムリエさんたちのご尽力で実現したことも伺いました。
福島コミュニティの皆様、本当にありがとうございました。


★続き(その2)はこちら。